首、肩、腕に痛み痺れを訴える疾患についてお話します。
原因は様々なものがありますが、主に当治療院で見られる疾患は頚椎症神経根症(神経根症)、胸郭出口症候群、頚肩腕症候群などです。

頚椎症神経根症(神経根症)
・原因
頚椎椎間板ヘルニア、加齢による椎間板やその周囲組織の変性により神経根が圧迫されて痛み痺れを起こります。
・症状
首を後ろへそらしたり、症状がある側へ首を曲げたりした時に痛みやしびれが増強します。
場合によっては圧迫されている神経根の支配する肩や腕の領域に知覚異常や筋力低下などが見られます。

胸郭出口症候群
・原因
肩、腕にいく神経や栄養を送る血管が送行の途中で筋肉や鎖骨、肋骨の間で圧迫されることが原因となって起こります。
・症状
洗濯物を干したりする時などのように腕を挙げる動作で肩や腕に痛み痺れを生じます。
また、デスクワークなど主に手を酷使する仕事、比較的若い女性に多いようです。

頚肩腕症候群
上記の疾患以外で肩、腕に痛み痺れを伴う疾患の総称です。
胸郭出口症候群と同じように手を使う人に多く見られますが、明らかな原因は分かっていないのが現状です。

治療法
まずは、首の動きから症状が悪化するかを診たり、腕を動かして動脈拍動の変化を調べて原因部位を見つけます。
いずれも日頃の無理な姿勢から首、肩に負担がかかっていることが多いようです。まずは症状のある部位から背中、腰など身体全体のこわばりをマッサージで和らげます。その後、痛み、しびれのある部位やその原因となっている部位に鍼灸治療を施します。
症状が悪化しないように、仕事の合間にできる首肩のストレッチ、特に手指や手首の柔軟性を保つ運動、筋力低下を予防する運動などをアドバイスして、症状が収まるまで週1回ぐらいの定期的な来院をお勧めしています。