頚椎捻挫を含めたむち打ち症についてお話しします。

むち打ち症は、交通事故やスポーツ外傷などで頸部に大きな外力が加わって頸部の筋や靭帯、椎間関節(頸椎と頸椎をつなぐ関節)に損傷を来すものです。
追突事故で頭が鞭のように大きく振られることにより、頸椎の過伸展を起こすものをむち打ち損傷といいます。

むちうち症は頚椎捻挫型、神経根型、デュシャンヌ型、脊髄型の4つに分けられます。

症状
・頚椎捻挫型… 痛みは寝違えに似た症状で、損傷した限局部位に見られます。
・神経根型…神経根の損傷で頸肩部の痛みともに、損傷の神経が支配する上肢の部位にしびれや知覚異常、場合によっては握力低下なども見られます。
・デュシャンヌ型…後頸部にある交感神経の損傷を伴うもので、痛みと共にめまい、耳鳴り、嚥下困難、胸の締め付けなど自律神経失調の症状が見られます。
・脊髄型…下肢のしびれ、歩行困難、尿･直腸障害などが現れます。この場合は治療の範囲外で、安定してからのリハビリとしてのケアとなります。

むちうち症は、症状が数日あるいは数週間してから出てくることもあるので、その場合痛みが事故との因果関係が認められないこともあります。できるだけ事故直後に病院に行かれて検査、診断を受けられることをおすすめします。

当院での取り組み
損傷後2、3日は頸部をカラーなどで固定し安静にした上で、事故のため過緊張となった全身の筋肉をマッサージで気持ちよく緩めます。
数日後からは、痛みのある部位に鍼灸施術を施し、頸部、 の拘縮予防のためにストレッチを入れながら、頸部周囲の筋も含めてマッサージでほぐしていきます。

神経根症の場合は、損傷している神経根や症状の出現している肩や上肢に鍼灸や鍼通電療法を行う場合もあります。

交感神経に異常をきたしてる場合は、東洋医学的に全身の症状を見ながら鍼灸療法を施します。

起立性頭痛が激しい時は脳脊髄液漏出症の可能性もあるので、再度病院での検査をおすすめします。

むちうち症は放置しておくと後に首の痛み、頭痛、めまいなどが現れ、数十年経っても慢性疼痛や神経痛、うつ病となって根治しにくくなるので、最初でしっかりとケアをしてくださいね。